2025/04/21 17:21

発酵バターって何? 〜焼き菓子の味を決める、隠れた主役〜


「発酵バター入り」と聞くと、ちょっと高級そうな響きがありますよね。でも、そもそも発酵バターって何?どうしてわざわざ“発酵”させるの?と思ったことはありませんか。

今回は、当店のパウンドケーキや焼き菓子に使用している「発酵バター」についての説明です。


発酵バターとは?普通のバターと何が違うの?

一般的なバターは、牛乳から分離したクリームを固めた「非発酵バター(スイートクリームバター)」です。一方、発酵バターは、そこに乳酸菌を加えて発酵させてから作られます。

発酵により生まれるのが、独特の「芳醇な香り」。ヨーグルトやサワークリームのような酸味をほんのり含んだ、奥深いミルキーな風味が特徴です。この香りが、焼き上げたときにふわっと立ちのぼる“あの”幸せな香りに変わります。


国産でも優秀!高千穂発酵バター

「発酵バター」と聞くとヨーロッパ産ばかりが注目されがちですが、実は国産にも素晴らしい製品があります。

当店では、宮崎県の高千穂牧場が製造する発酵バターを使用しています。


このバターは、プロの料理人やパティシエからも密かに支持されている逸品で、手頃な価格帯ながら輸入品に負けない力強い風味が魅力。焼き上げたときにぐっと香りが立つ、まさに“焼き菓子のためのバター”です。


焼き菓子における「バターの力」

実は、パウンドケーキの全体重量の約1/4がバター。つまり、バターの質はそのまま味に直結します。

発酵バターを使うことで生地の香ばしさとコクがグッと引き立ち、噛みしめるたびに香りが鼻に抜けるような、余韻のある味わいに仕上がります。

バターの香りが命とも言える「フィナンシェ」や「ガレット」などの焼き菓子では、その違いが特に顕著です。


なぜ当店は「発酵バター」を使うのか?

最近では「マーガリン不使用」とアピールするお店も増えてきましたが、実は一定以上の価格帯のお店(洋菓子店/レストラン等)ではバター100%使用が当たり前。

当店では“あえて”強調していませんでしたが、もちろんマーガリンは一切使用しておらず、バターの中でも風味豊かな発酵バターを厳選して使用しています。

なぜなら、焼き菓子は「素材の味」で勝負が決まるシンプルなお菓子だから。小手先の装飾ではごまかせません。だからこそ、香り・風味の良い素材にこだわっています。


ご家庭でもぜひ、バターを見直してみてください

もしお家でお菓子作りをされる方がいたら、ぜひ一度、マーガリンや普通のバターではなく「発酵バター」で焼いてみてください。

一口食べた瞬間、まるで専門店で出されるような“深みのある味”に驚かれるはず。家庭用に手に入りやすい価格帯の発酵バターもあるので、気軽に試せます。


最後に:香りが伝わるお菓子を

当店では、そんな発酵バターの魅力を活かしたしっとりどっしりした焼き菓子を、東京・日本橋の小さな店舗で毎日焼き上げています。

ギフトや手土産としても人気のパウンドケーキ。風味が長く続くので、お渡しから数日後でも美味しく召し上がっていただけるのも、バターの力のおかげです。

あなたの大切な方にも、「香りまで贈る」焼き菓子を届けてみませんか?